押さないこと、引かないこと
アレクサンダー・テクニークの教師になるトレーニングには幾つかの重要課題があります。
そのうちの一つに「リーディング・フォローイング」というのがあります。
指導するとき、リードすることとついて行くことを同時にやる。
また、僕の師匠ブルース・ファートマンは理想の教育者のスタンスを、
「後ろから、囁き声で勇気づける」ように、と、著書で言い表しています。
生徒の前から引っ張って先導するでもなし、後ろから背中をぐいぐい押していくでもなし。
つまりそれはリーディング・フォローイングのことなのです。
あなたが今までの学校や習い事での経験を思い出してみてください。
あなたにとって教師とは、どのような存在でしたか?
多くは一方的に教訓を繰り出しませんでしたか?
ブルース先生がトレーニング・コースを作ったとき、「自分がこうであってほしかった学校」にしようと思ったと言っていました。
それは、宿題がなかったり、競争や比較がなかったり、
偉そうな先生がいなかったりといったことなのですが、
実際にそれをどうやって実現させたらよいか?
僕は今、リハビリの「先生」で、太極拳の「先生」が主な仕事なのですが、
上に書いたことを実現させようとしたら、リーディング・フォローイングにたどり着くのです。
人ととして高尚な人間を目指したとしても、自分にも他人にも教訓を繰り出すしかないし、それってリードが基本ですよね。
相手はフォローするしかないのです。先生が生徒を引き回しているとも言える。
先生が引き回さなければ、生徒は自由に学ぶ。
アレクサンダー・テクニークはあなた自身があなたに対する束縛から自由になるための学習法であり、
教訓でがんじがらめにするためにあるわけではありません。
ネット情報で知るだけでは分かりませんから、一度訪ねてみてくださいね!