おやじ

正月、実家に帰ると
両親が我が子を迎えてくれる
以前は世の中に腹を立ててばかりだったおやじも
孫を見てニコニコしている
穏やかなのがいいと
若い頃も分かってはいたのだろう
それでも昭和のおやじは政治に経済に世間に
怒る事を止められない全共闘の男だった
闘いに疲れたのか摩耗したのか
孫の可愛さに全面降伏したのか
いつの間にか好々爺になった
ずるいぞ
俺たち兄弟は
猛り怒り闘っていたお前の姿を忘れていないからな