
大橋しん
まわりに線維筋痛症の人がいるなら
僕の妻は卒業後、大阪の会社に就職し、いわゆるOLをしていました。
そこで、トイレ掃除を念入りにしていたら、
「そんなこといいから仕事しなさい」
オフィスが殺風景だと思いお花を飾りたいと上司に申し出たら、
「そんなのどうでもいい」
と言われたりしていたそうです。
数年で仕事に行くとき気分が悪くなり、次第に病欠が増えていって、しまいに退社してしまいました。
人の気付かないところに気付いて、ちょっとを手をかけたりしたくなる。
でも、周りはなかなか喜んでくれたりしない。
わたしは社会に適応できない、と言います。
僕と一緒になったのも、人の気付かないところに気付いてくれたから、ということにして、引いたクジがよかったか悪かったか分かりませんが…
このコロナの夏は調子を崩してしまいました。
線維筋痛症という病気で、8年ほど前から発覚しました。
僕は他にも線維筋痛症の女性たちをリハビリしてきていますが、共通するのは「繊細すぎる」ところ。
人の気付かないところに目が留まる人が多いように思います。
人には分からない些細なことを大事に思ったり、他人の言動の微妙なニュアンスがずっと残ってしまったり…。
それは誰にでもあるかもしれませんが、その影響が身体に出てしまう回路を持ってしまっているようです。
症状は筋肉痛。焼けるようなヒリヒリする痛みから、刺すような激痛まで。
動くと辛いのでゴロゴロするようになり「サボリ病」と見られてしまいます。
この夏もゴロゴロしていました。
好きなだけゴロゴロしてもらいました。
夏休みなので、僕はずっと子供といました。
この夏開業したのに日中時間が割けず、深夜に起きて仕事をしていました(それで朝、マメにブログが更新されていた)。
子供といるのは楽しいのと我慢がどうしてもセットで、エネルギーが必要です。
僕でもしんどい時があるので、妻は大抵の場合しんどいのだと思います。
痛みは本人にしか分からないので、僕は辛さをすべて分かってあげることはできません。
こちらには判断がつかないこともいっぱいあります。
なので好きに振る舞ってもらって、したいことがあれば応援するようにしています。
あなたの周りに線維筋痛症だという人がいたら、好きなようにさせてあげてください。
お花を飾るのもゴロゴロするのも、世界と共にいるのに必要なようですから。