
大橋しん
足の裏を耕す
少林寺で地面に竹をいっぱい刺して、その上で修行するというのがあります。
また、大きな丸い石の上で立っているだけ、という訓練もあります。
これらは足の裏の感覚に特化したもので、丸いものの上に立つのは特に拇指球を地面に押し付けるのに役立っているのだと思います。
それで僕の太極拳の荒井先生は、僕に普段からメディシンボールに乗って歯磨きするように言われました。
僕がそれをやっていると子供もするようになりました。
足の裏を開拓すると、ネコのように足音がしなくなります。
拇指球が地面に浮いたらリカバーする、というのは両内股に均等な張りのアーチを形成して、ブリッジ状の土台をつくり太極拳の発にかかせません。
発勁のとき、地面と下半身がくっついていないとどこかで力が逃げたり、それをカバーするための筋緊張が入り力みの原因になります。
太極拳はやはり足からつくっていくものなのだということです。
手だけがひらひらしてみえたら、柔らかいのではなくひらひらの手前が固い、ということ。
その原因は足元にあります。
これは介護などでも利用できる考え方で、理学療法士や介護士にも太極拳の技術が普及したらいいのにな、と思っています。