- 大橋しん
言葉が通じるより空気が共有できるかの方が強い
最終更新: 2020年8月25日
ヘルダードイツ語学校の教室は小さく、クラスには生徒がぎゅうぎゅうに詰められスタートしました。
人数の多い順に、
中国から4人♂♂♀♀、モロッコからも4人♂♂♂♂
キプロスから2人♂♀
あとは一人ずつ、
ブラジル♀
フランス♀
シリア♂
韓国♀
モルドヴァ♀
カメルーン♀
そして僕、日本から。
入学前の簡単なテストでクラス分けされ、ここはどうやらドイツ語が全くできないどんじりクラス。
人数が多いので中国語とアラブ語が飛び交いますが、他の国でも別の言語が交錯します。
フランス人とモロッコ人とカメルーン人はフランス語で喋れますし、
モロッコ人とシリア人はアラブ語で喋れます。
シリア人とモルドヴァ人はルーマニア語で喋れるので、
フランス・カメルーン・モロッコ・シリア・モルドヴァは橋渡しでコミュニケーションが取れます。
*シリアはズーリアックと発音するのでシラクと書いてしまっていました。訂正済。
一方、日本と韓国と中国は漢字がある程度通じるので筆談ができます。簡単な英語と筆談でこれもコミュニケーションが取れてしまいます。
キプロスとブラジルは英語が堪能なので、これまた問題なくコミュニケーションが取れ、中国人留学生は英語が堪能なのでその輪に加われます。
これでクラスは自然と2つのコミュニケーション・グループができあがりました。
しかしそれも最初だけで僕はまもなく幾人かと、とりわけ仲良くなりました。言語より空気、ウマが合うかの方が勝るのでしょう。
互いにドイツ語が話せるようになっていくと、押しの弱い僕は、シャイなブラジル・モルドヴァの女の子らと、ユニークな医者のシリア人男性と、そして他のクラスのウクライナの16歳の男の子と仲良くなっていきました。