- 大橋しん
学生天国ドイツは夫婦で学生寮にいたりする
最終更新: 2020年8月25日
ドイツの事務系スタッフののんびりぶりは日本では考えられないレベルなのですが、どこの国でもそうだったと聞くので、おそらく日本が地球上で一番セカセカしているのでしょう。
ライプツィヒの外国人局も学生生協もドイツ銀行もミキさんという降って湧いた救世主のおかげでその日のうちに用事が済んでしまいました。
住居は郊外のギャルトナー(庭師の意味)通りの学生寮に決まり、ドイツ銀行で口座を開き、学生保険に必要なものを揃え、夕方になるとミキさんは先程の友人(韓国人男性)にホームパーティーに誘われたから一緒に行きませんか?と言われました。
はい行きます、が、何をどうすればよいやら。
ドイツでホームパーティーは基本持ち寄り、割り勘などはしないという事でした。
手土産の定番はチョコレートやワイン。お店で僕はワインを、ミキさんは焼き菓子を買ってその友人宅に向かいました。
着くとどうやらここも学生寮。韓国人の友人は先程とは打って変わって笑顔で迎えてくれました。
入ると東洋人が4人、奥さんと韓国の友人でした。夫婦で学生寮に入っている、これは新鮮でしたが、ドイツでは結構あることだそうです。
今でもそうか分かりませんがドイツは学生天国と言われ、何につけ学生を優遇しているのです。
大学は無料、格安の寮と健康保険、定期やレールパス、観劇の学割のタダ同然になる割引率、公共サービスも学生無料のものが多くあります。
そして留学生も本国の学生と同じ扱いになり、海外からドイツの大学に流入し、一旦入ると居心地が良くてお金がかからないといったメリットがありすぎて、学生が大学に居着いてしまい28歳くらいまで卒業しないのも珍しくありません。
長いあいだ専門分野を勉強するので、就職すると最初からベテランと対して変わりない働き方を要求されるとのことです。そして給料は安く、年功序列では上がっていかない(かといって成果報酬でもない)。税金も社会保障費も高い。
それで余計に学生であることを延ばしてしまうのでしょう。十分猶予を与えてあげるから、そのかわり大人になったらシビアな現実に適応してね、という社会モデルは日本とまったく違っていて面白いと思います。
それで、この韓国人夫婦も国には帰らず学生のままで寮にいる、という事でした。ホームパーティーは、何しに来た、ここで何やってる、という類の話を片言英語で話しながら夜がふけるまで続きました。
明日から寮に入れるのでホテルから移動です。寮はカラなので生活雑貨がいる。
ミキさんは帰りの路面電車の中で
明日IKEAに行きましょう。
と言って停留所で僕を降ろし、さらに真っ暗な郊外へと行ってしまいました。