- 大橋しん
外国人局で学生ビザを手に入れる
ライプツィヒ中央駅の北側に5分ほど歩くと、ドイツ語学校、ヘルダー・インスティテュートがあります。
渡独後すぐに新入生の面談があり、初めて校内に入りました。
コンクリートの箱、青い鉄の扉、中小企業のオフィスみたいな感じです。そこでは様々な人種の入学生が面談を待っていて、アジア系もいるけど中国語が飛び交っていて、どうやら日本人はいないようです。
日本で著名なドイツ語学校はなんと言ってもゲーテ・ドイツ語学校(ドイツではゴエチェと発音する)。日本人はそちらに通うのが一般的です。
ゲーテは日本語対応完備と謳われてますがヘルダー・ドイツ語学校なんて日本ではほとんど知られておらず、そんな親切なサービスは皆無です。
まあそのくらいハードな方が自分のためだろう、と頭の中で自分を慰めながら待っていると、名前が呼ばれました。
部屋に入ると、3人ほどの女性が会議用机に並んでいました。
かんたんな英語で必要な書類と手続きの手順をガイドされましたが、向こうも忙しいらしく手早い説明でハイ次、みたいに内容を確認するまもなく部屋から出されてしまいました。
英語とドイツ語ミックスの書類…。どうやらこれを解読しないと住む場所も決まらないようです。
受け取ったものの中に学生証があります。書類によると、どうやらこれを使って、
外国人局で学生ビザ(仮)の発行
↓
学生生協で学生寮を決定
↓
住所が決まったら銀行で口座を開設
↓
口座から引き落としできるようになるので学生用健康保険が組める
↓
それが済んだら学校に通える
まで自分でやらなければならないようです。
え?自分でやるの?と日本でだったら言いそうですが…。
問答無用、何であろうがもう自分でやるしかありません。
まずは中央からやや東に離れた住宅街にある外国人局に向かいました。
住宅街なのにその外国人局の周囲には異様な空気が…建物からあふれるアラブ系と見られる人たちの不機嫌そうな様子に、ハッと気づきました。
ニューヨーク・テロの直後、ニュースではアメリカがアルカイダに復讐を誓っている真っ最中なのでした。